蕎肆 穂乃香@両国
2009.12.16
先月、「本年第一位は「凛」かな」と意見まとまったところでしたが、どうしてどうして。両国は「ほそ川」とJR総武線の線路を挟んで反対側に位置する「蕎肆 穂乃香」、両店の距離は徒歩3分ほどでしょうか。ここに、我々が「ほそ川」よりも高く評価し、本年の第一位と位置づけられる店があるとは思いもよりませんでした。
蕎麦前は、酒肴も日本酒も厳選された良質のものが揃い、そして何よりリーズナブル。蕎麦自体のキャラクターは強くなく、せいろはバランスは良いものの「蕎麦を食ったなあ」感が乏しいのが残念。しかし、種モノになったり、ぶっかけになると、具材とのマリアージュで新しい世界が広がるというが新鮮でした。
よし房「凛」@根津
2009.11.25
気がついたら1月に続いて本年2回目の訪問であった。一同、「牛蒡天蕎麦」はじめこの店の蕎麦・蕎麦前、そしてホスピタリティまで、店全体を愛してやまないのであろうなあ。
蕎麦前は、酒肴の品数は決して多過ぎることは無く厳選された逸品ぞろいだし、日本酒の揃えも飲兵衛には堪えられない。この日は「開運」に続いて「獺祭(だっさい)」を飲みまくる。大吟醸としての造りなので磨かれきった透明感と単なる端麗辛口でない丁寧な味わいがあるが、吟香は強くはないし味も甘過ぎないので、蕎麦にぴったり。
今回はせいろはお願いしていないと思われる。ぶっかけ系か、種物系(しかも牛蒡天ばっかり!)をお願いする。蕎麦自体が味もコシもしっかりしているので、せいろで蕎麦だけを食すことなくとも安心して楽しむことが出来るのだ。
1年に2回も来ちゃったら、こりゃあ「今年の1位」は当然でしょう、ということで全員納得して散会と相成りました。
蕎麦小路さわらび@半蔵門
2009.10.20
会員の不都合が重なり、大殿と美佳姫二人によるデート企画となってしまった。
結果「決して不味くはないが、あまりにもコストパフォーマンスが悪い」ということ以外の情報が無い。ありゃりゃ、残念。
時そば@新橋
2009.9.28
われらがZZZ創設の記念すべき「第ゼロ会」は「新橋辻そば」。以来何度も例会に利用させていただきましたが、店主が店を譲られて上総一ノ宮に移動。今回は引き継がれた「時そば」に訪問であります。
店は看板がかけ変わった程度で、内装などはほとんど変化無し。名物の「剣客そば」も健在でした。蕎麦は、味もキレもコシも、全般にマイルドになったかなあ。
新しい店主は和食「松下」で修行されたとか、蕎麦前の酒肴の充実が楽しみであります。
観世水@赤坂
2009.8.17
一応下見をした上で、まあこれなら、と判断して部員をご案内したのですが、厳しい評価を受けてしまいました。あまりのショックに、デジカメにメモリーカードを入れ忘れ、写真はありません。。。
枝豆は注文を受けてから茹でるし、出汁巻き卵もそれなりに美味なんですが、いかんせんお値段が。蕎麦は標準、決して悪くはないけれど、どうしてもコストパフォーマンスが低く感じられてしまう。
赤坂のど真ん中で蕎麦屋をやる、って難しいのですなあ。
露月庵@白金高輪
2009.7.28
塚田欠席。
参加者のコメント。
若「素直なお味で、美味しかったですね。変化球ですが、「そばコロッケ」は大殿がお代わりされた程。
「梅そば」も夏らしい味わいで、印象的でした。鴨の陶板焼きは、しっかりとした味付けで○、夏野菜天ぷらも素材の甘味が塩で引き立ちました。蕎麦部らしく、蕎麦も2回目をちゃんと頂き、おなかいっぱいでした。塩塗りさちの「レモン蕎麦」も見た目、香りがさわやかでしたね。」
蕎麦 さかい@深沢
2009.6.22
究極のホスピタリティ(hospitality)とは自宅に招くこと、だと思う。「蕎麦 さかい」は、店主のご自宅である。なので称して「リビング蕎麦」。昨年新居に引っ越しをされ、装いも新たになったリビングに伺った。
深沢の、緑深い高級住宅街。知らなかったら蕎麦を供されるお店だなんて絶対にわからない。玄関を入り、靴を脱ぎ、通された二階のフロアが「リビング蕎麦」専用のリビングダイニングと調理場という仕組み。会員の一人がいみじくも発した言葉は「別荘にお招きいただいた気分」、そう、究極のホスピタリティがそこにはあるのだ。
酒肴はいずれも素材の味が活かされていて、供される酒との相性が素晴らしい。変わり蕎麦の「紫蘇切り蕎麦」は、汁を使わず塩で食すと紫蘇の風味を鮮烈に味わうことができた。
酒井さん、奥様、ありがとうございました。
知らなければ、蕎麦屋だとはわからない。 | 乾杯の友(鮎一夜干し、わさびチーズ、海ぶどうトマト和え、だし巻き卵) | 鴨団子とあいなめのお椀 あいなめが脂がのっていて美味 |
いちじく二味 無花果の上品な甘みにが引き立つ | 坊ちゃんかぼちゃのグラタン ワインにも日本酒にも相性が良い味付けは、さすが | ほうれん草とベーコンのサラダ ベーコンが元気。薫製感もバッチリ! |
鴨のロースト 柔らかくジューシー。葱と合わせることで二度美味しい。 | 紫蘇切り蕎麦 | ざる蕎麦 細いけれど、エッジもあり、香り高い。汁の味わい深さは感激もの。 |
お代わりは一つ盛りで。箸が伸びる伸びる、一瞬で完食。 | デザートのババロア | ご馳走さまでした! |
舞扇@小石川
2009.5.20
店名の「舞扇」は「まいせん」と読むそうな。あれ、そんな名前のトンカツ屋があったなあ、と反応すると、「はい、先に有名な名前があった方が覚えてもらえるかと思って」と気取らない回答。そうなのだ、店の雰囲気、蕎麦、蕎麦前、すべてが「気取らない」店なのである。
各テーブルにおかれた「生ビールセット」のメニューは、居酒屋かしらん、と思わせるほどだ。「今夜は蕎麦と日本酒!」という思い込みが、見事に肩透かしを食らった感じで、しまった、と思う間もなく頼んでいる。しかし、これが裏切らない。セットを構成する「野菜かき揚げ」は、それぞれの野菜への火の通り方が絶妙で、ここの野菜独自の甘みを引き出している。しばし汁に浸してほろりとなったところをすすり込むと、口中に季節感が広がる。
さて、蕎麦。我々は蕎麦の会なのであって飲み会ではない、と蕎麦をメインにすることに決めていたはずなのに、結局この日に食した蕎麦は、最初に頼んだセットのせいろのみであった。ううむ、なんと意志の弱い、否、何か理由があったはずだと反省したところ、下記が思い当たる。
1)麺はかなりの細打だが、量は十分にあった。
2)水切りが良過ぎるのか、後半は「つるつる感」が失速し、飽きにつながった。
3)太打ちや田舎蕎麦などのバリエーションが無かった。
確かに、蕎麦を食した後も酒肴を何品かとって飲んでいたから、満腹になったワケではない。味と食感においてもう一歩の深みが欲しかった。しかし、普段使いするには最適の蕎麦屋だと思う。
麹也@木挽町
2009.4.20
「当たり前のことをやっているだけですよ」 料理に限らず名匠や芸術で名をなした人たちから、まさに異口同音に聞く言葉だ。そして、それがどれほど難しいことなのかも我々は悔しいくらいに知っている。だから、そんな料理や作品に出会ったときに、素直に賛辞を贈り、そして感謝するのだ。
「麹也」の蕎麦は、どこまでも真面目だ。奇をてらったところなどみじんも無く、「当たり前のこと」をさりげなくやってのけていることに、心から敬意を表したい。
蕎麦前も、質の良いものを厳選して供してくれる。それぞれの素材の味がしっかりしているから、少量でも十二分に楽しめて、酒が進む。
蕎麦は抜群の安定感を誇る看板の「細打ち」はもちろん、今回は「太打ち」のクオリティが素晴らしかった。「太打ち」ならではの食感とコクのある味わい、そして何より供されたときに蕎麦そのものが放つみずみずしい輝きには食欲がそそられた。
清涼感を伴った満腹感。ありがとうございました。
案山子@芝
2009.3.24
ちょうど1年ほど前、「大学の先輩が芝で蕎麦屋を開店する」と知人に連れられて、オープンの日に伺ったのが1回目。蕎麦はもちろん、蕎麦前の調理から釜前まで一人でこなす店主の頑なまでにまっすぐな姿勢が、そのまま100%表れたような、真面目な蕎麦であった。
半年ほどした秋口に再訪。相変わらず天婦羅も鴨も無いのだが、なぜか「たぬき蕎麦(温)」がメニューに加わっていた。武蔵小山で料亭を営む実弟特製の揚げ玉が入手できるので、とのことであった。このときもホールに女性が1名居て、厨房はすべて店主が取り仕切っていたため、少々注文が立て込むと、とたんに手が遅くなる。蕎麦前は待てど暮らせど出てこないし、酒までもたびたび催促の必要あり。これにはさすがに閉口した。
さて、三回目の訪問となる今回、厨房が一人増えていた。メニューも「鴨南蛮」「鴨汁蕎麦」が追加されている。開店からほど無い7時前には、店内は我々のほかには2組4名ほどで、蕎麦前が供されるタイミングは悪くはない。おお、さすがに進化したなあ、と楽しんでいたのだが、8時頃になって店内満席になった頃には限界に達し、蕎麦は待てど暮らせど出てこない。店主が一度テーブルまで来てくださり「お蕎麦、お待たせしてすみません、もうすぐです」と声をかけてくれたが、それからもしばし。そうするうちに店主自ら「鴨汁蕎麦」と「葱汁蕎麦」の汁を運んできてくれた。これらの漬け汁は温かいもの。なのに、蕎麦はそこから5分経ってようやく供されたのであった。
さて、肝心の味や如何に。汁の、真面目でまっすぐな感じは相変わらずだが、蕎麦はいかんせん香りが無さすぎる。鴨汁や葱汁につけてみると、蕎麦が負けてしまうのだ。
一方で「たぬき蕎麦」は絶品。特製の揚げ玉(天婦羅の副産物ではなく、専用につくられるため「天華」と呼ばれるものらしい)のふわふわ感、それが蕎麦に絡まった食感、そこに汁がよく絡む。油が良い仕事をしてくれて、汁の味がすばらしいバランスに。
もっと食べたかった。でも、これからオーダーしていたらいつになるかわからないので、残念ながらそこで退散。食べ足りない面々は「新橋辻そば」にて仕切り直しをしたのでありました。
新橋辻そば@新橋
2009.2.19
ZZZ発祥の地、です。発起人3名が集まった「第0回」がここで行われたのは8年近く前になりましょうか。その2年ほど前に、我々の大先輩である店主の辻さんがこのお店を開いておられました。このたび辻さんは弟子にこの店を譲り、ご自身は上総一ノ宮に店を移して、農作業をされながらゆっくり蕎麦を打って行かれるそうな。そんなご案内をいただいて、一同馳せ参じた次第。
蕎麦前は種類こそ多くはないけれど、どれもシンプルに素材を活かした、飲み助にはたまらない酒肴ばかり。燗酒が恋しい季節だけあって、燗用には3種類の酒が用意されていました。
さて、8年の間にすっかり食が細くなった我々(?)は、早々に「中蕎麦」を。ここの名物「剣客蕎麦」であります。そして最後は細打ちのせいろを思いっきり食し、上総一ノ宮での再会を約してお開きとなりました。
辻さん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
よし房「凛」@千駄木
2009.1.29
100年に一度の大恐慌で幕開けとなった2009年、蕎麦まで外したくはないということで、ZZZでも最もリピート回数の多い「凛」へ。
比較的種モノは食さないZZZであるが、ここでの一番人気はやはり「牛蒡天蕎麦」。いまや数多くの店がメニューにしているが、ここのゴボウはちと違う。
さて、今回目を惹いたのが「茄子蕎麦」。素揚げした茄子や野菜の温かい汁で冷たいせいろをいただく(鴨せいろの野菜版、ですな)ということで、さっそくトライ。茄子と油は相性バッチリで、それが汁に程良い風味を加えてくれる。さらに野菜なので軽やかな感覚、どんどん食べられる感じ。もちろん、せいろはお代わりしました。