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よし房 凛@根津

2007.10.24

この例会は毎月5年以上続いているが、複数回訪れた店は極めて少なく、3回を誇るのはここ「よし房 凛」と、両国の「ほそ川」だけである。
リピートしたくなるのは、もちろん、蕎麦が美味いことは大前提であるが、我々は「蕎麦屋」をひとつのアミューズメント・ゾーンと考えているので、蕎麦そのものの質に加え、蕎麦前の充実度やホスピタリティを加えた総合点、そして、やはりその店ならではの「スペシャル」があると評価は俄然高くなるのだ。
普段からあまり「種モノ」を食さない小生にとって、「よし房 凛」の「牛蒡天蕎麦」は無敵である。世界中でもゴボウを食す民族は限られており、第二次世界大戦中にはその食文化の差は「木の根を食させる虐待行為」との誤解をも産んだそうだ。やはり生きることの根源は「食」にあるのだろうか。
話をここのゴボウ天に戻そう。食感と土の香りを十分に楽しめるくらいに大振りで太いが、火の通り加減が素晴らしいので、食べやすい。衣に汁が沁みて柔らかくなっていく変化も楽しい。たっぷりと添えられた水菜のアクセントも素晴らしく、細目に打たれた蕎麦はいくらでも入りそうだ。間違いなくここのゴボウ天は「スペシャル」である。

ほどよい距離感を持ちつつも、タイミングを外さない接客。旬の食材が豊富な酒肴は決して種類こそ多くはないが、酒呑みにはたまらないものばかり。そして蕎麦は香り高く上品。今年もトップランクの蕎麦屋であった。

IMGP0360.JPG中央は「蕎麦の刺身」とも言える一品@300円。これだけ何枚か食べたくなる。
IMGP0361.JPG自家製がんもどき。蕎麦の実がたっぷり散らされている。
IMGP0364.JPG鴨のハツ(心臓)焼き。味が濃く、良い脂。
IMGP0366.JPG細打ち。汁は比較的華やかなイメージで、良く絡む。
IMGP0367.JPG田舎蕎麦。香りと味は良いのだが、少々茹で過ぎか。丸くてエッジがイマイチ。