手打蕎麦与之助@新御徒町

2010.11.24

今回も5名全員が揃った。
大江戸線「新御徒町」駅徒歩1分、コンクリート打ちっ放しの店内にはジャズのBGMが流れている・・・そんな前情報に期待半分不安半分で訪れると、「本日予約で満席」とあり、それなりに人気がある店なのだと期待が不安を上回った。
お任せコース3,800円を予約していたので、全員が揃うまではコース料理に盛り込まれない酒肴をお願いしてチビチビ始める。ほどなく全員揃ってスタート。厨房は店主が一人で切り盛りし、ホールは女性1名。酒や料理が供されるスピードやタイミングは多少遅いと感じることもあったが、気配りもなされていて、安心して食事を楽しむことができる。
一方その料理は、完全にNGというものは一皿も無く、反面「これは!」と思わせるものも、無い。素材も決して悪くなく、無難に大人しくまとまった印象を受けた。安心して使える店だが、積極的にリピートしたいとも感じない。
〆のせいろも蕎麦前同様メリハリが無い。味も香りも飛んでしまっていて、頂点を迎えないままに満腹になってしまったのは残念。

IMG_0131.JPG蕎麦屋らしからぬ内装だが、店内に入ってしまうと不思議と気にならない。
IMG_0133.JPGコースに含まれる、定番蕎麦前の盛り合わせ。
IMG_0134.JPG好評だったのは、升酒の「溢れさせ方」
IMG_0137.JPGこうした一品料理もそれなりのレベルなんだけど、インパクトが今ひとつ。
IMG_0138.JPG季節の天婦羅盛り合わせ。舞茸が美味。
IMG_0139.JPGせいろ。量は決して少なくはないのだが・・・。

九頭龍蕎麦@神楽坂

2010.10.27

今回は5名全員が揃った。
神楽坂の駅に程近く、開店して半年とのことだが、盛況であった。店内は広く、中央の大きなテーブルには10名ほどの団体客。そこではビールがピッチャーで供されていたので、一見すると居酒屋だ。蕎麦前のメニューにもそれが表れている。
「板ワサ」には立派な柱ワサビが1本付いてくる。「せいろ」にももれなく1本付いてくるので、ワサビに関しては極めて大盤振る舞いだ。しかし、蒲鉾は明らかに力が無く、珍味もなんとなくマイルドでクセが無い。蕎麦も、決して不味くはないのだが、例えば香りがものすごく立つとか、エッジが切れるほどだとか、そういった特徴に欠けて、「大人しく、及第点」という印象。
とまれ、値段はリーズナブル。結果的にはコストパフォーマンスは素晴らしく高い、ということに。

IMG_0112.JPG珍味三点盛り(「へしこ」「小鯛」「塩ウニ」)は、少量づつだが味は明確。
IMG_0111.JPG惜し気も無く添えられてくる柱ワサビ。格好の日本酒のアテ。
IMG_0115.JPG野菜を塩ウニが溶かし込まれたドレッシングにディップして食す。これ自体不味くはないが、ドレッシングの洋風な酸味がどうもミスマッチに感じる。
IMG_0117.JPGぶっかけ。1枚がこの量。辛味大根の入った汁がたっぷりあり、これだけでも酒が進む。美味。
IMG_0119.JPG定番の出汁巻きだが、火の通し方・味ともに素晴らしかった。
IMG_0120.JPGせいろにも柱ワサビが1本提供される。
IMG_0122.JPG種モノで珍しい「梅とじ」を。梅肉の酸味は蕎麦を邪魔しない。

おにわか@八重洲

2010.9.29

塚田欠席。
参加した「若」からのコメントは下記。
ーー
前回のお店は、不思議なお店で、お食事は一品一品は、まずますです。お魚やイカの塩辛など、いい感じでした。ただ、メニューは15品位で、一皿も量は多くなく4名だと全部頼んじゃう?という感じです。

お店は気楽にやっている感じで、驚くのは映画やシェリルクローのコンサートDVDなどが、プロジェクターで投影されて、音も出ています。(笑)

テーブルの横にはミシンやアコースティックギターが飾ってあって、まか不思議な感じです。

特に、愛想がいいわけではない、ご主人らしき人と、愛想には気を使っているが、サービスがまめなわけでもない女性と二人です。

ということで、八重洲から近いので、先日も使ってしまいました。

あ、そばですが、素朴で、うん、普通に良いですよ。

あと閉店時間がないのは会社帰りに使いやすいです。
ーー

蕎肆 穂乃香@両国

2010.8.24

昨年12月に訪問し、高評価であったため再訪となった。今回は5名全員集合。
汁は甘めだ、という大殿のご指摘。確かに柔らかな印象。蕎麦は、時期のせいもあろうが香りは強くは無い。切りはしっかりしているので、エッジが利いている感は有るが、決して固過ぎない。それぞれにインパクトは強く無いのだが、二つが合わさってみるとどうだろう、バランスの取れた「ほんわか」とした世界が口中に広がるのである。
自宅や会社の近くに一軒は欲しい、「気を張らずに、普段使いできる蕎麦屋」なんだなあ。でも、蕎麦屋ってもともとそうではなかったのか・・・。

IMG_0071.JPG棒ニシンは身はふっくら、味付けも辛過ぎずGood。
IMG_0072.JPG季節の野菜天婦羅。軽い揚げ具合で素材の味が感じられる
IMG_0074.JPGこの日お得で人気だった「利き酒セット」。「小法師」が辛口で美味。
IMG_0075.JPGせいろ。汁は甘めか。
IMG_0076.JPG葱そば、とあった。確かに。でも、インパクトは・・・。

よし房 凛@根津

2010.7.21

何時行っても期待を裏切られない、常に高次安定の味わいはさすがとしか言いようが無い。
名物「牛蒡天蕎麦」は、夏の盛りでも外せない定番。

IMG_0009.JPG定番の「牛蒡天蕎麦」は、季節を問わず美味なり。
IMG_0010.JPG夏季限定の「冷やし牛蒡天蕎麦」。天婦羅の衣がほど良く溶けることが無いので、イマイチ。
IMG_0013.JPGせいろも素晴らしいが、この田舎蕎麦は細打加減が絶品。

甲賀@西麻布

2010.6.16

「祈念」の蕎麦は、確かに味わい深かった。さらしなと発芽蕎麦の二色盛りを全員で、あと、せいろを2枚頼んだから、@1.5人前を食した。もう少し食べたいね、でも、この時期は温かい種モノは無いんだよね、そう、そこでもう一人前を頼むには、「祈念」の値段設定は少々高いと感じる。

そこで、霞町交差点にほど近いところにある「甲賀」に移動し、〆蕎麦を行うことに。
伝えられているところによれば、砂場から独立されたそうなのだが、うーん、どうかねえ。機械切りと思われる細い蕎麦は、水切りもしっかりとされているのだけれど、「エッジが立った」という印象ではなくてあくまで「固い」という感じなのだ。
若が食した「豚ニラ蕎麦」なる種モノも意味不明なのだけれど、なぜか外国人客が2組居るし、それなりにファンを獲得しているんだなあ、と。

IMG_0177.JPG「田舎」は明らかに挽きぐるみの色合いなのだが、香りはイマイチ

祈念@西麻布

2010.6.16

信州上田市にある「おおにし」という蕎麦屋で修行し、今年西麻布に出店。「発芽蕎麦」「水捏ねさらしな」は師匠ゆずりか。通常のせいろも含めて3種類全て十割蕎麦で、夏期期間中は温かい蕎麦は無し。
さて、小生は蕎麦屋では、まず蕎麦そのものを何も付けずに少し食し、続いて時には塩で食し、そして汁を単独で味わった後麺を付けて食す、というのがルーティーン。今回も例に漏れず、各蕎麦を何も付けずに味わってみた。さらしなの歯応えとコシの強さ、発芽蕎麦の「粘り」といった食感こそ独特であるけれど、味にはそれほどの魅力を感じない。汁も同様。ところが、蕎麦を汁に付けて食すと、なんと次元が変わったが如き変化をもたらしてくれた。これこそ「相性」というものなのだろう、蕎麦の深さを感じ入った次第。

IMG_0174.JPG厚揚げ。軽やかな味わいが素晴らしい。
IMG_0175.JPG水捏ねさらしなの歯応えと、発芽蕎麦の「もっちり」感が好対照
IMG_0176.JPG汁との相性バッチリなせいろ。

清山@渋谷

2010.5.27

塩塗り姫が発熱ダウン、3名の参加。ZZZでは約3年ぶりの再訪となった「清山」。
ロケーションも、店構え、内装も、およそ蕎麦屋とは思えない風情は相変わらず。
前回、参加者に感動を与えてくれた「豚角煮蕎麦」は健在、しかし、「せいろ」「田舎」はインパクトに欠けている。
ユニークさは十分に認めるし、蕎麦や蕎麦前のレベルもアベレージ以上であることは間違いないのだが、どこか満たされないものを感じながら帰路についた。

IMG_0165.JPG自家製ビーフジャーキーと酒肴三点盛り。 ビーフジャーキーは日本酒にもあう。 IMG_0166.JPGせいろは水切りが良すぎるのか、しばし時間が経つとパサパサ感が・・・。 IMG_0168.JPG前回も我々を魅了した「豚角煮そば」は健在。
IMG_0169.JPG田舎はもっと香りが立つとさらに嬉しいのだが。

蕎麦切 森の@本郷三丁目

2010.4.26

今回も5名参加。
蕎麦前の酒肴は「板わさ」「焼き海苔」といった定番から「鰯の梅荷」「鮎の一夜干し」「アサリの酒蒸し」など季節の一品料理まで品数豊富で充実。どれも味わいは上品で品質の良さも感じるが、量は小振りでコストパフォーマンスは若干気になるところ。まあ、居酒屋じゃあないんだから、ねえ。
日本酒の揃えは「田酒」「秋鹿」「九平次」といった銘酒の他、辛口だけれど米の香りと味わいのあるものが揃っていた。
さて、この店の一番の特徴は、冷たいそばの場合につけ汁を「関東風」「関西風」から選択できるということ。関東風は通常の醤油を使ったかえしで、関西風は薄口醤油なのか色は薄くて出汁の旨味がストレートにでてくる。(「志な乃」のつけ汁を思い出した。)蕎麦も、蕎麦の香りと味が感じやすい。
胡麻ダレの場合も上記関東風・関西風の選択が出来るのだが、この場合は関西風だと胡麻の油分と甘味が立ち過ぎてしまうので、関東風で延ばした方が美味であった。

IMG_0145.jpg鰯の梅煮。味付け美味。 IMG_0147.jpg左が関西風、右が関東風のつけ汁 IMG_0148.jpg田舎切りとせいろの二色もり。もう少し香りが強いとうれしいのだが。
IMG_0150.JPG IMG_0151.JPG天ぷら蕎麦。天婦羅は別盛りで、一品づつ揚げたてが供される。野菜類、舞茸と続き、最後の車海老の頃には蕎麦を食べきってしまった。。。

そばきり 沙羅の花@上野御徒町

2010.3.3

2010年、はじめて全員集合。
店は駅にほど近く至便、1Fはカウンター5席程度で2Fが最大8名程度まで入れる座敷。それを店主一人で切り盛りするので、注文が重なると手が遅くなるのは止む無しか。毎回急な階段を上がって来ていただくのは、少々気が引けるところも。
酒肴は品数は多くはないが、どれも今ひとつ際立つところが無い。まあまあ、のオンパレードだ。蕎麦に至っては、「そばきり」を店名に掲げる店にも関わらず、「きり蕎麦は昼で売り切れまして・・・」と。
通常の蕎麦は、細い。技術は素晴らしいのだろうけれど、これが辛めの汁を吸い過ぎるので、蕎麦自体の味が立ってこず、汁に負けてしまっているようだ。
種モノも同じ細い蕎麦。牡蛎蕎麦の、牡蛎のボリュームには圧倒されたが、冷たいまま最後に放り込んであるので、汁は生温くなり、移った牡蛎の香りが生臭く感じる。火を通し過ぎては面白くはないんだけど、このあたりは課題かなあ。

ま、今回は美佳姫ののろけ話で満腹になった、ということで。美佳姫、ご馳走さまでした。

IMGP0995.JPG蕎麦の刺身、と。思ったよりも風味が無い。 IMGP1000.JPG美佳姫のVサインは、好物の鴨汁せいろのためだけではない。おめでとー! IMGP1001.JPG細いのは素晴らしいが、過ぎたるは・・・。
IMGP1002.JPG巨大な牡蛎。でも、冷たいまま。

九段一茶庵@九段下 → 麹也@木挽町

2010.1.25

2010年の第1回は、大殿・若・小生の「野郎蕎麦会」となってしまった。会場は一茶庵系の総本山である「九段一茶庵」、ZZZとしては03年7月以来6年半ぶりの再訪である。前回は若の代わりにたいろー君が参加していた。容子姫もどろ姫も居て、ホテルグランドパレスのバーにて二次会をやっていたなあ、よく食べたしよく飲んだ、若かった・・・なんて昔話をひとしきり。そういえばこの会も9年になるのだ。

さて、一茶庵。予約客で満席と相変わらず繁盛している様子だが、期待は完全に裏切られた。
生ビールをオーダーし、かしこまりました、と一旦下がった後に「生ビールは二種類ありまして…」、焼酎の蕎麦湯割りでも、注文を受けて下がった後に「焼酎は四種類ありまして…」・・・客をいらつかせるホスピタリティ。蕎麦前の酒肴もごくごく普通のレベル、鴨の塩胡椒焼き(これも例によって「鴨は二種類ありまして…」のお約束付き!)は見た目は良かったが、肉に火が通り過ぎてパサパサ。
この段階で見切りをつけ、若がすかさず「麹也」への転戦を提案、全員即合意。それでも蕎麦は食さないといくらなんでも失礼だろう、ということで、名物の「五色」を見てみると、おお、「黒トリュフ切り」なんてえのがある。発注すると、「本日は変わり蕎麦は全て売り切れました」・・・おい、まだ7時だぜ、一体何食打っているんだ、とあきれて「すずしろ」「せいろ」をオーダー、ほどなく蕎麦が供された。蕎麦自体はまずまずなのだが、汁に嫌な甘さを感じる。出汁のキャラクターが弱くて、かえしがストレートに出過ぎているのではないか。酒肴で頼んだ「茄子とミョウガの煮浸し」の残り汁(これまた出汁は弱くて、大量に振りかけられた追い鰹によって何とかなった)で食した。

「麹也」のカウンターに座り、個々の好みに応じた三種類の酒が供される。切り子のグラスで一口飲むと、いらついた気分がすっと溶けていく。そう、味にも雰囲気にも「落ち着き」が大切なのだ。
会議終了した美佳姫も合流し、全員で細打を食す。美味なり。

IMG_0116.JPG「鴨の塩胡椒焼き」と奥は「茄子とミョウガの煮浸し」。煮浸しは出汁が弱くて味がしみていない。 IMG_0117.JPG「すずしろ」の大根千切りは食感を楽しむものであろうけれど、もう少し大根自体の味が楽しめても良いのではないか。 IMG_0118.JPG「麹也」の細打。多謝。