「虎徹」@新橋 ★☆☆☆☆

2014.7.17

「蕎麦も供する居酒屋」というコンセプトが悪いのではない

IMG_0805.jpg柔らか過ぎるIMG_0805.jpgせいろ新橋で、酒肴が充実している蕎麦屋だ、との評判を聞きつけてトライすることになったのだが、久々の大はずれ。
このジャンルは、「居酒屋や小料理屋の大将がちょいとこだわりの蕎麦を打って〆に供する」というパターンか、「蕎麦屋が蕎麦前の酒肴メニューに凝り始めて品数が増えた」というパターンのどちらかだ。蕎麦か料理のどちらかを基盤としているので、後発の部分が少々力量不足であったとしても、全体としては「うん、まあね」となることが多い。今回は、そのどちらもダメという珍しいケースに遭遇したのだ。
蕎麦前の料理は、全体に味付けが濃く、塩辛い。調理の手数が掛かっているものは少なく、シンプルなものは素材で勝負かと思いきや、それもイマイチ。蕎麦に至ってはコシもエッジも感じられず、食感は楽しめないし、香りもない。残念であった。

TEL:03-6402-4408 住所:東京都港区新橋3-13-10

食べログ

粋場蕎麦「ひさ奈」@糀谷 ★★★★☆

2014.6.19

蒲田方面は、このコースが定番化したかな。

IMG_0779.jpgエシャロットの味噌焼きIMG_0782.jpg安定して美味な三色ヤーゴ氏が常連の「紋蔵」@穴守稲荷は、外観はどうみてもラーメン屋なのだが、ほとんどの客が「煮込み」をオーダーする。煮込み、といいながらも、まず驚くのはモツの新鮮さだ。火が十分に入っているのに鮮度を感じるというのは、素材の素晴らしさに他ならない。人数分+αの煮込みを食し、常連のみに提供される裏メニューを何品か食してから、タクシーに分乗して駅二つ先の「ひさ奈」に向かう。

昨年、「蕎麦に合う赤ワイン」という衝撃的な技で、当ZZZ史上初めての★★★★★となった「ひさ奈」は、昨年12月に続いてこえで3度目だ。今回は「紋蔵」で下地が出来てしまっているので、蕎麦前の酒肴はそこそこにして蕎麦に向かう。味もエッジも素晴らしい。こちらも慣れてきたからかもしれないが、店の雰囲気も蕎麦の味も、全体に落ち着いた印象を受ける。変な力が抜けて、自然体でゆったりした空間で、安心して酒食を楽しむことが出来る銘店になった。

TEL:03-3742-0616 住所:東京都大田区西糀谷4-21-17
二色せいろ:945円  

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和旬蕎 手打蕎麦「伍法」@新橋  ★★★☆☆

2014.5.20

酒が高いからなのか、結果的にコスパが低く感じてしまうのが残念

IMG_0757.jpgせいろ。水切りもバッチリ。美味。IMG_0754.jpg飲み過ぎ原因の一つ、の見比べ。新橋。30年前に大学を卒業して上京し、働き始めた会社は銀座8丁目にあった。仕事帰りに先輩に連れられていく店は、銀座ではなく圧倒的に新橋が多かった。学生時代は酔うために飲んでいたようなもので、酒や酒肴に関する知識は、全て新橋で教えてもらったようなものだ。仕事場が変わったり、地方への転勤もあってご無沙汰することも多かったけれど、やっぱり夜の新橋には故郷のような落ち着きを感じる。店は相当入れ替わったし、チェーン店も増えて風情は変わったが、街の空気や匂いは昔と一緒だ。やっぱり、いい。

さて、今宵の「伍法」は、そんな新橋のど真ん中にある。酒肴は鮮魚・刺身系が充実していて、「ちゃんとした蕎麦で仕上げられる居酒屋」というテイストで、個人的にはあまり好みではない。当ZZZの会員各位も似ていて、「刺身盛り合わせ」なんて誰も頼もうとしないから、助かる。さすが十年来の付き合いだ。しかし、競い合うように酒を飲むから、酒量が上がってしまうのが我々の弱点だ。特にこの店のように日本酒の揃えが良く、値段もそれなりになると、掛け算で高くつくことに。
蕎麦は至って真面目で、外連味も無く、まっとうな味だ。特にせいろは香りも味も素晴らしい。田舎は、個人的には少々茹で過ぎかと思うが、こちらも味わい深い。
飲み過ぎた我々がいけないのだが、結果的に合計金額が上がってしまって、トータルの満足度が下がってしまう。蕎麦に責任は無いのだが。。。

TEL:03-3437-2244 住所:東京都港区新橋4-6-2 中村ビル1階
二色(せいろ・田舎):900円

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手打ちそば「多心」@渋谷  ★★★☆☆

2014.4.18

温蕎麦の方が歯応えが良いのはなぜなのか

IMG_0708.jpg「つけ玉」は汁に卵を泡立てて乗せている。まろやかで楽しい。IMG_0702.jpgお通しのホタルイカの炙り。美味。昨年7月の例会以来の2度目の来訪。前回はほぼ満腹状態であったために品数少なくしかお願いできなかったので、今回は、と気合いを入れて参戦。
前回同様、蕎麦前の酒肴が充実(特に刺身系)している。蕎麦を食せる小料理屋、という風情だ。季節の山菜や素材を取り入れたメニューは、飲兵衛には楽しい。「菜の花のからし和え」「あさりと季節野菜の酒蒸し」、いずれも優しく上品な味付けだ。ただ、一品ごとの分量も「上品」ではあるが。

さて、蕎麦。
前回は「味と香りはあるのだが、歯触りが粉っぽく、喉越しが良くない」という感想が残っている。果たして今回はどうかというと、残念ながら同じ印象を受けた。食感がボソボソしていて、食していて楽しくない。今回は温蕎麦で「花まき蕎麦」もお願いしてみた。具は大きな海苔が2枚というシンプルな蕎麦だが、意外とこちらの方が麺の食感が良い。ただし、味と香りは冷たい蕎麦と同様に物足りなさを感じた。

TEL:03-3780-5820 住所:東京都渋谷区桜丘町21-4
せいろ:680円 ビール(ハートランド):680円  

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Soba Ristorante na-ru@木挽町 ★★☆☆☆

2014.3.26

蕎麦屋と思うなかれ。蕎麦を使ったイタリアン・レストラン、である。

IMG_0674.jpg薬味のオリーブオイルIMG_0679.jpgゴルゴンゾーラと蕎麦は良く会う。「蕎麦カルボナーラ」「アマトリーチャ蕎麦」・・・蕎麦粉のクレープはヨーロッパでは定番だし、なるほど蕎麦粉を小麦粉に置き換えて発想したということか。「蕎麦を食すのではなくて、ソバ料理なんだ」と頭を切り替えようとするのだが、これがなかなか上手く行かない。メニューに「もりそば」の文字を見つけて頼むと、確かに洋食器に盛られているものの、視覚から認知するのはまぎれも無い「蕎麦」だ。しかし、「薬味」として添えられた山椒入りのオリーブオイルをわずか垂らしただけで、視覚から想像している味覚とは全く異なる油っぽさが口中に広がり、味を支配してしまう。
逆に、「アマトリーチャ蕎麦」「蕎麦ニョッキ」は、ソースに隠れているので、視覚としても通常のパスタを想起させてくれるので、蕎麦粉が使われていても違和感が無い。蕎麦粉の味もそこまで強くなく、素朴さを演出してくれて新鮮だ。

ただ、この店の蕎麦そのものは、相当高いレベルにある。香りはそれほど強く立たないが、味もコシもしっかりしていて、当然に蕎麦屋として供せるものだ。汁にはもう少しインパクトが欲しいのだが、前述のオリーブオイルを入れると全く別のものになってしまうので、あまり力を入れていないのかもしれない。これを「うーん、惜しい」などと思うのは、蕎麦食いの視点からの勝手な感傷に過ぎない。この店は「イタリアン・レストラン」なのだから。

TEL:03-5579-9949 住所:中央区銀座1-19-8
もりそば:800円  生ビール:650円

店のホームページ

「蕎麦切 宮下 三田綱町店」@三田 ★★★☆☆

2014.2.26

「暗闇坂 宮下」系列の蕎麦屋は高級感漂う佇まい

IMG_0659.jpg不思議な食感のせいろIMG_0658.jpg鴨のたたき本年初めてのZZZは、大殿が上京されて参加されることもあり、美佳姫が厳選したこの店に。イタリア大使館の向かいというロケーション、さらに入口の引き戸の重さに、不覚にも少々威圧されてしまった。。。
さて、蕎麦前から。酒も酒肴も、さすがに良い値段だ。特に日本酒は珍しい銘柄も厳選して揃えているようだし、食材は鮮度も味も素晴らしいので、納得感はあるものの、「5割高」というところか。
特筆すべきは蕎麦の食感。「コシ」「エッジ」とも異なり、「乾麺か?」と思わせるような素朴な歯応えがありながらも決して粉っぽくはない。必然的にいつもよりも噛む回数が増えるので、香りも感じるし、量の満足感もあった(お代わりはしたが)。いずれ再訪して、蕎麦だけを集中して楽しんでみたい。

TEL:03-6435-2178 住所:東京都港区三田2-6-13
二色せいろ:945円  

店のホームページ